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旅の記憶 メキシコのこと

いつもブログご覧くださり誠にありがとうございます。
店主が旅したときの記憶、読んだ本、お客様との会話など、なぜかカレー屋になってしまったかをとってもまわりくどく、外堀を埋めるように書いてゆきます。
断片的でばらばらな事柄に思えるかもしれませんが、僕の体験が凝縮されて今、皆様にお出ししているカリーが出来ています。これまで別の紙面やフェイスブックで書いてきた内容と重複する内容も出てきますが、あらかじめご了承いただければ幸いです。

『2008年、メキシコの記憶。』
仕事で心をすり減らし、プライベートでも長年付き合ったパートナーと別れ、また父親ともまったく上手くいっていなかった僕は、会社から3週間の休みを貰い、職場のデスクをはじめ、小さなアパートも身辺整理して、メキシコへ出かけた。帰ってこれなくてもいいように。
 渡航目的はテオナナカトル(聖なる神の肉)と呼ばれるキノコを摂取するためだ。民芸の宝庫オアハカの街からバスで5時間。霧が印象的な山村ウアウトラ・デ・ヒメネスに到着。さっそく、女性シャーマンのイネスを訪ねセッションをお願いした。テオナナカトルの精霊は僕の意識を宇宙へ連れて行ってくれるのだろうか?レインボウの極色彩世界を体験できるのだろうか?そのまま帰ってこれず、人生が崩れて終わるのだろうか。イエスやマリアをはじめ、様々な聖者の絵が飾られている小さな部屋が、セッションの場所だ。
 10数本のキノコを食べ、ベッドに寝た。頭の上ではイネスが僕の意識が道を外れないよう、迷わないようガイドしてくれる聖歌を一晩中歌ってくれていた。気づけば、涙があふれている自分がいた。僕が見たのは、素晴らしき幻覚世界でも、恐ろしいバッドトリップでもなかった。聖なるキノコの精霊が見せてくれたのは、実家の寝室の、ベッドで父と母が泣いて抱き合って、僕を心配しているビジョンだった。地球の裏まで(現実から)逃げてきて、やけっぱちで食べたキノコのおかげで見えたのは、日本で一番身近な人々が僕を愛してくれている姿だった。僕はベッドの中で明け方まで、嗚咽をこらえることができず泣いていた。

ご覧いただきありがとうございます。

******生きているから味わえる 極楽カリー*******
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