愛でもなく恋でもないのになぜか忘れられない
高校3年生。大学の推薦入試を受けるため鹿児島から茨城県つくば市にやってきた。あるビジネスホテルにひとりで到着。同じように全国各地から試験を受けに高校生が泊まっていた。食事時、ホテルの小さなレストランを見渡すと186cmの身長の僕からすれば、とても小柄なかわいい女の子がいた。ろくに女の子とふたりで話しをしたこともなかったが、思い切って話しかけてみた。一緒に食事をした。受験の緊張とは違うドキドキを味わった。聞けば新潟から受験のために出てきた、とのこと。試験の結果は、僕は推薦入試を落ちたが、通常の入試でなんとか合格した。彼女が合格したか分からないまま入学し、その後、偶然、彼女と学生宿舎で再会した。淡い恋心を抱きながらも気持ちを伝えることが出来ず、会う機会もなくなった。その後お互い大学院に入ってから、久しぶりに会って話をした。僕は彼女に「路頭に迷っている」と相談した、らしい。その後僕は南米に行き、さらに路頭に迷い、大学院を退学した。以後連絡を取ることもなく月日は流れ、僕は結婚し、なぜかカレー屋になった。フェイスブックが日本に浸透し始めたころ、ふと彼女の名前を入力してみた。検索結果に、いた!メッセージを送ると、覚えていてくれた。彼女は大学の先生になり、ヨーロッパやらカナダやらに学会に行く様子がFBにアップされる。活躍しているなあと思いながら、いいね!を押す。2014年7月21日。まったく予期していなかった、12年ぶりの再会。ゴクラクの扉が開いた瞬間、まさかと思い鳥肌が立った。それほど嬉しかった。沢山話すことはできなかったが、カレーを召し上がっていただけた。それだけで充分だった。「あんまり味とか良くわからないんですが、今日は作り手の人柄を味わいました。竹迫くんらしく生きていているんだなって、安心しました。」と感想を頂いた。彼女たちが帰ったのち、FBのメッセージで御礼と、大学1年の時に抱いた淡い恋心を時効だと思い、笑い話として彼女に打ち明けてみた。彼女の返事は・・・・・。「愛でもなく恋でもないのになぜか忘れられない 極楽カリー」