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夢のこと 3編

夢のはなしのこと

僕は数ヶ月に一度、寝ながら泣く。
夢をみながら、号泣したり嗚咽している。
悲しい夢であることはなく、ほとんどが感動して泣いている。
だからそんなあとの目覚めは良く、こころ揺さぶられる映画や
小説にふれて涙を流した後と同じ爽快感がある。
鎌倉に来てから、妙な夢もみるようになった。

夢のはなしを3つ。

夢を、みた。
ガネーシャさんが夢に出てきた。
インドをはじめ、東南アジアそして近年では日本でも愛されてる。
福徳、ビジネス、学問の神様だ。ヒンドゥー教の象頭の神様で、密教系仏教の伝来と
ともに、日本でも歓喜天あるいは聖天様と呼ばれている(大黒天や弁財天と同じく「天部」に属する)。
2度目の登場での夢のこと。
イミグレーション(入国管理窓口)で、ガネーシャさんはポンッとスタンプを押して僕に手渡してくれた。
インドの長期滞在ビザの許可スタンプが押されたパスポート。
中南米に縁深く、インドにはこれまで縁がなかったのだが(どちらかといえば妻はインドと縁が深い)、
インド、バングラデシュ、パキスタン、ネパールをめぐり、カレー屋にまでなって4年ほど経ってからのこの夢。
インド方面への縁が広がる、許可が出たとしてよいのだろうか?
見えない夢の世界で何かが、むすばれて、そして現実世界に表れ始めてきている。

夢を、みた。
ボスが夢に出た。
「ボス」は以前勤めていた会社の創業者で、僕の大学のとある研究室のはるか以前の先輩にもあたる。
海外に民芸品を買い付け国内で売り財をなしたボスに拾われて、彼の会社で働くことになり、「秘書」のような
こともしつつ、ケニアやペルー、チリの買い付けや、日本中の神社(僕はその一部分)を巡る旅のお供を
した。彼との珍道中やレジェンドを紹介すればそれこそ1冊の本ができるくらいエピソードが満載なのだ。
会社をやめてからしばらく会っていない。
そのボスに夢で「タケ○君(←僕の本名)、あなたの夢はそれでいいの!!?」としかられた。なんとなく昔見た夢の続き、という感じだ。
しんどそうな息遣いであったが、その眼と気迫からとても怒っていることが伝わった。会社をやめるまでの6年近く、
「タケ○君!」と怒鳴られていたので、夢であっても当時のフィーリングそのままで、怒られているにも関わらず
思わず苦笑してしまった。そして机を見なさい、と言われた。ボスの机はなぜか金属板になっていて、さまざまな文章や
ヒンディーかアラビア語のような文字も刻まれている。内容は意味不明だが、そのドライで独特な筆跡は間違いなくボスのものだ。
「タケ○君、あなたの本当にしたいことは、なんなの~?」
2016年6月19日。
夢から覚めても夢のことが頭から離れず、自分の夢(目標)が現実に流されて薄れていることを、
叱ってくれる人がいることに感謝した。

夢を、みた。
道元さんのこと。
これは妻が見た夢のはなし。
明け方、部屋の中に小鳥が入ってきて童子に化けた。童子は妻に「道元さんが待っているから遊びに行こうよ」と誘う。
妻は、僕に相談する、といっていったんは断った。目覚めて朝食時にそのことを聞く。道元さんは北条氏に請われて
一時であるが鎌倉に滞在していた禅僧で、永平寺を建てたお坊さんだ。まるで古典のおとぎ話のようで牧歌的なのだが、
万が一妻が童子に誘われて遊びに行ったら、そのまま何処かへ連れ去られてしまったのではないか、と背筋が寒くなった。
歴史が古い街は、土地に記憶がこびりついていて、何かの拍子で現代にそれがにじみ出ているような気がする。水は
太古からの記憶を保有する優秀な記録メディアであると、ロシアの映画が力説していた。
びっくりするほど湿度の高い鎌倉。空気中にただよう水分には、どれほどの時間や人々の人生に触れてきた「データ」が
つまっているのだろうか。叶うなら清い水を飲み、せめて汚れの少ない吐息を出したいものだけど。