NEWS

冥土の土産話

毎度お馴染み極楽亭南無阿弥太でございます。普段は鎌倉でカレー屋を営んでおります。鎌倉はゴールデンウィークから紫陽花にかけて一年で一番忙しい時期になりまして、売上は極楽ですが忙しさは地獄のようで、盆と正月が一緒に来たように地獄と極楽が一緒くた、営んでる本人はまさに「ジゴクラク」の有り様になるのであります。え〜、人は死にますと極楽地獄どちらかに行くと言われておりますが、極楽は元々「後苦楽」、地獄は「自業苦」と漢字を当てていたそうで、お釈迦様の「一切皆苦」は有名ですが実は「一切皆苦、後苦楽」が正しいようで、生きている間は苦しいが、その後は楽だよ、という意味だそうでございます。また地獄は死後本人を苦しめるのは鬼や亡者ではなく、生前の自らの行い、カルマ(業)によるものだそうで、自業苦と漢字であらわしていたそうてございます。さて、極楽行きか地獄行きか、その裁きは閻魔様が行なうのですが、極楽店主がゴールデンウィークに働きすぎて、ひょんなことで心の臓が止まり仮死状態となり、あの世で件のお裁きを受けた時のおはなしでございます。「お前はこれまで、どこにいたのだ」と閻魔様が聞いてまいりましたので「極楽におりました」と答えますと「何、極楽から裁きの間に落ちて来たのか。よほど悪いことをしてきたのだな、お前の行いを吟味するまでもない、地獄行きじゃ」と断言されましたので「極楽でも厨房は地獄でございました。特に夏場は灼熱地獄になります、もうすっかり慣れましたが」と申し上げますと「なんと、地獄にも居たのか、しかも慣れただと。そんな奴は地獄にいても無意味だ。極楽でも地獄でもない場所といえば、、、。仕方ない、特例だかこの世に戻って、生きて罪を贖うがよい」とのお達し。ははーと低頭平身しますと頭の横に観音様がお立ちになって「お前はまだまだ生きて、働かねばいかんのん。ほっほっほ」とお笑いになりまして。ふたたび、ははーと地に頭をつけて目をつぶりましたところ、ひょっこり生き返ってしまいましたのでございます。え〜、そろそろ話もカレーも煮詰まってまいりましたので閉店させていたたきます。極楽も地獄も生きてこそ味わえる。『冥土の土産話』でございました。