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そういう風になっていく

そういう風になっていく

身体に良い、という事を全面的にうたっている訳ではないが、時々お客様の中にはこのカレーは東洋医学的にはこうではないか、このスパイスは漢方では〇〇のはず、マクロビではホニャララ、陰陽五行的にはあーだこーだ、西洋ハーブのスクールではコウコウ教わった等、自論を展開される方がいる。そんな時、僕は薬屋ではないので〇〇に効くとか言えないし、その考え方を元に作ったレシピではないので実際のところ、どんな作用が身体にあると普遍的には言えなし、分からない、とお答えしている。勿論、薄く広くではあるがそれらの知識は無いわけではないし、特にスパイスに関する情報はアーユルヴェーダのとある事典に準拠して極楽カリーの分析をしてチラシや看板に書いているから、先の持論を僕に言われるのだが、僕は知識が先にあってこのカレーを作り始めたのではなく、まずレシピを教わり、ひたすら毎日つくり続ける中で、またお客様の感想を聞く中で、先人の知恵を学び、自分なりの物差しを形成して、志を持って、カレーをこしらえている。すこしぐったりしていたのが元気になりました、風邪っぽかったから食べて早く治したくて来ました、3ヶ月近く止まらなかった咳が食べたら止まりました、1週間に一度は食べないと調子が出ない、疲れてたけど食べたら心が満たされました、ホッとしました、エナジーチャージ出来ました、全身がポッポと熱くなってきた、汗が止まらない、脳みそがシャキーンとする感じ、二日酔いが治るんだよ、食べ進めるほど食欲が増すね、など実際に僕がお客様から言われた感想は様々だ。東洋医学では、アーユルヴェーダ的には、マクロビ的には、と問いかけてくるお客様は、僕の答えを聞かずとも、すでにご自分の中に答えや物差しを持っていて、それを僕の答えがどうであれ、変えることは無い。セオリーや考え方が先にあるから、食べた時の身体の反応を理屈抜きで感じよう、言葉にしようという前提がそもそもないように思われる。舌や身体で味わうのでは無く、情報を食べている、そんな気がする。根本としてカレーは薬物ではなく食べ物である、その分は弁えていなければならない。なんだか分からないけど無性に食べたくなる、それはあくまでも体が欲するからだ?僕はカレーを作る際に、美味しくなーれ、とか、食べた人が元気になりますように、とか、思いや願いを一切込めない。教わった通り素直に淡々と作っているだけだ。カレーに対してどんな思いをのせるかはお客様の自由だ。元気になりたいから、食べに来た、結果、元気になった、その願いに応えられる何かがカレーにはあるのだろうが、それが何かは正直分からない。今は様々なお客様を満たすカレーを作り提供できる、それだけで素晴らしい、出来るなら継続し、いつかバトンタッチしたいと思う。師匠が、ただやってれば良い、と言われた言葉を、今は素直に実践しているだけだ。創業当初に抱いていたような深い意図もなんだか余計な事に思えてそれらを削ぎ落とし、単純明快さが好ましくなり、あれこれを最近は考えなくなってきた。いろんな考え方や物差しで召し上がる方は、その人が思う事そのままに、そういう風になっていく、のだろう。年齢を重ねるほど、己の中の物差しは強固になっていくし、測れない物を受け止めきれない事もふえていくだろう。ただ、自分が思うように、そういう風になっていくのだ、自然のまま、と思う。ブルースリーの言葉を最後に。Don't think. Feel!